天・地・人を終えて


 今年で、第18回講演会を開催することが出来ました。
 この一年も瞬く間に過ぎてきましたが、今回の公演は、研究生ととも
に一つ一つ一緒に努力した結果を充分表現出来る作品になったものと
思っております。
 私自身は、この一年も、さまざまな日本と韓国の舞台に出演し、楽し
くまた勉強になる日々を過ごしてきました。
 韓国の舞は、人間の内面にあるものの発露した形であると考えてい
ます。
 人間の持っている喜怒哀楽そして韓国独特の恨「ハン」粋「モッ」が気
持ちの赴くままに表現出来れば、人の心をうつす素晴らしい舞台が出
来ると思い続け、精進して参りました。
 今回の公演では、「天・地・人」と題して、鄭明子自身の舞そして韓国
の伝統文化の粋を堪能して頂きたいと思っていります。
 この「天・地・人」は、人間の希望と頼りである天、人間の輪廻転生の
場である地、このような天地の中で生きる人間の美しき営みをテーマ
にして構成された作品です。
 今日まで当研究院が幅広く活動出来ましたことも、皆様のご援助の
おかげさまであると感謝しておりますが、今後とも更なるご支援・ご協
力をお願い申し上げます。

                     第 一 部
1.花冠舞(ハガンム)
美しく着飾った踊り手たちが、宮廷式の華やか
な衣装を身にまとい、花の冠に、長いハンサン
を空中になびかせて、楽しく舞い踊ります。
2.立  舞(イプチュム)
一定の型にとらわれず、自由に表現する作品
韓国舞踊のもっとも基本的な形式を保ち、時に
は早く遅く、叙情的な踊り手がその人なりのモッ
(粋)をみせてくれる踊りです。
3.太平舞(テッピョンム)
韓国、朝鮮王朝の華麗な舞の一つで、様々な
色で飾った衣装と律動的で多様な足のあそびで
構成されています。
庭園を散策する王妃の姿を表現したり、優雅な
手の動きと対比される速やかな足の遊びで、厳
断で貴族的な雰囲気を表現します。
4.妓坊舞(キュバンム)
名の如く、妓姓の踊りですが、昔、韓国の妓姓
は、詩、歌、舞というように諸芸に精通しており
ました。
また、妓姓とはいうけれども、民族的な誇りと自
尊心を持ち、韓国伝統文化の幅を広め、それぞ
れ内的な充実をもって誠実な生活をしておりま
した。
韓国舞踊文化から見れば、妓坊舞は、芸術性
の本質を深く追求したものといえます。
この妓坊舞は、1900年以匹来、房におい
て、妓姓たちによって、
5.ソルチャンゴ
能楽から発生した一種のリズムですが、昔、韓
国人の生活は、その大部分が農耕生活でした。
農業をして食生活を安定させるのが、人々の生
存にとって、最も重要かつ基本的な問題でし
た。その作業を最も能率的に遂行するためのリ
ズムとして、ソルチャンゴが生まれました。
韓国農民の民族楽器の一つである「チャンゴ」
を打ちまくる、多彩な音と軽快なリズムにより新
しく構成された打楽器の演奏です。
               
                第 二 部

「天・地・人」
それは大地と天の狭間にあって、両方から受けるエナジーによってひきだされるもの。
そしてそれは、重力に抗うでもなく、ただそれ自体となって遊び、酔いしれる。
人間に与えられた、すばらしき快楽。生とはリズムそのものではないか。
あの小さな半島に、じつに200種類以上におよぶリズムが伝わるという。
その旋律はかぎりなく自然のささやきに似て、
人間もまた自然の一部なのだということを思い出させるものだ。
解き放たれた魂は自らの呼吸にたどりつき、その空間を思う存分、躍動するだろう。